はじめに
「選択的夫婦別姓って、強制じゃないのに、なぜこんなにも反対されるの?」
ネット上でこんな疑問がうねりを上げています。
令和も半ばを過ぎ、世の中がますます個人の多様性を尊重する方向に進んでいる中で、「結婚しても名字を変えたくない」という声が増えています。
それに応じて、選択的夫婦別姓制度の導入を求める動きも活発に。
しかし、不思議なことに、この「選べる制度」にすら、根強い反対の声があるのです。
本記事では、選択的夫婦別姓に対する反対意見とその背景を深掘りし、なぜいまだに賛否が分かれるのかを読み解きます。
選択的夫婦別姓ってどんな制度?
まず確認しておきたいのは、「選択的夫婦別姓」という制度そのものについてです。
これは、結婚後に夫婦で同じ姓にするか、別の姓を名乗るかを“自由に選べる”制度。
つまり、従来どおりの「夫婦同姓」も選べます。あくまで“選択肢が増えるだけ”なのです。
✅ すでに世界では当たり前
実は、この選択肢、日本以外の多くの国ではすでに普通のこと。
OECD加盟国ではほぼ全てが夫婦別姓を認めています。むしろ日本だけが例外状態なのです。
なぜ“選択できる制度”に反対する人がいるのか?
では、ここからが本題。
「なぜ反対するのか?」という問いに対して、実際の議論から拾われた反対理由をいくつか見ていきましょう。
① 「家族の絆が壊れる」
「家族は同じ名字であるべき。それが日本の伝統で、家族の一体感を育む」
この意見、非常に多く見られます。しかし現実には、離婚や再婚、養子縁組などにより親と子が別姓になることはすでに多々あります。
それでも「絆が壊れた」なんて話にはならないですよね。
むしろ「家族とは名字ではなく心でつながるもの」と考える人も増えています。
② 「戸籍や手続きがややこしくなる」
「行政の現場が混乱する」「役所が大変になる」
この点についても専門家からは「現在の技術水準では充分対応可能」とされています。
事実、国際結婚や再婚によって名字が違う家族はすでに存在しています。
役所はそれに対応していますし、住民票やマイナンバーでも別姓対応は進んでいます。
③ 「子どもの姓をどうするか決めづらい」
「親と違う名字になるのは子どもが可哀想」
確かにここは悩ましいところ。
ただし現在の制度でも、離婚後に親子で別姓になることはあります。
選択的夫婦別姓でも、子どもの姓をどうするかは、夫婦が話し合って決める余地があるのです。
それに、この問題を「子どもが可哀想だから制度を認めない」と結論づけるのは少し飛躍しているようにも感じます。
なぜここまで反対が根強いのか? “本当の理由”を考察する
ネット上では、こういった理由の背景に「宗教的影響」や「政治的な保守思想の強さ」が指摘されています。
例えば、統一教会や日本会議のような保守系団体がこの制度に強く反対していることは公然の事実です。
これに影響されるかたちで、多くの政治家が及び腰になっているとも言われています。
「夫婦別姓は左翼の陰謀」
「伝統破壊だ」
といった、実質的な根拠のない感情論的な主張も少なくありません。
◆賛成派の声:「お願いだから自由に選ばせて」
選択的夫婦別姓を求める側の主張はシンプルです。
- 改姓にともなう手続き(銀行口座・保険・SNS・業務メールなど)がとにかく煩雑
- キャリアや実績が旧姓に紐づいているため、改姓が不利になる
- 離婚や再婚のたびに子どもと姓が変わって混乱する
実際に困っている人がいて、その人たちの選択肢を「選択的に」認めよう、というだけのことなのです。
まとめ
選択的夫婦別姓を導入したところで、誰かが傷つくわけではありません。
むしろ傷ついているのは、「姓を変えたくないけれど変えざるを得なかった」人たちです。
この議論が長年続いているのは、合理性ではなく「感情」が足を引っ張っているからではないでしょうか?
法律は“多数派のため”だけにあるのではなく、少数派が生きやすくなるための仕組みでもあります。
あなたの名字は、あなたのものであるべきです。
選択的夫婦別姓――“選べる自由”があって、何が悪いのでしょう?
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